扁桃体とセロトニン
脳のセンサーである扁桃体が脅威を感じたり危険を察知すると、不安や恐怖を起こします。
そしてセロトニンは扁桃体の活動を抑えたり、調整する働きがあり、扁桃体が過剰に恐怖を起こすことを防いでくれます。
このセロトニンが少ないと、恐怖を抑えたり調整することが出来ずに、過剰に恐怖を感じてしまうようになります。
脳のセンサーである扁桃体
危険なことがあると、扁桃体がストレス反応を引き起こす引き金を引きます。偏桃体から「ストレスに対処せよ」という指令が、脳の視床下部に伝えられると、ストレスホルモンが分泌されてストレス反応が起こる、交感神経が活性化し、心拍数が増える、血圧が上昇するなどの身体の反応が起こります。その結果、「心臓がドキドキする」「頭に血がのぼる」「身体が硬直する」というような状態になります。
交感神経が活性化してストレス反応が起きても、その後人間の体は鎮静化されて元の状態に戻るようにできています。交感神経は落ち着いていき、副交感神経が優位になってリラックス状態になり、休息をとります。しかし、ストレス状態が長く慢性的に続いていて、この切り替えが上手くできないでいると、扁桃体の樹状突起という枝状に伸びて信号を受け取っている突起がどんどん拡大していきます。
その一方で、抑制する側の前頭前野の樹状突起は萎縮してしまいます。つまり、感情を抑える力は弱くなり、恐怖のセンサーは拡大されてしまうということです。
マインドフルネスで抑制する側を強くする
この抑制する側の前頭前野を発達させることができるのが、マインドフルネスや観察する視点、感情や思考を観ることができる高度な思考を練習・実践することです。マインドフルに、観察する意識を育てていくほど、恐怖や不安、そしてネガティブな感情を抑制したり、調整してくれる高度な部分が発達します。
恐怖を感じやすい人ほど、マインドフルネスを練習して観察する視点を養うことが、ストレスケアに役に立ちます。
(宮沢みか:公認心理師)

