広場恐怖症と回避

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Abstract city background. Blurred image of people moving in tunnel at crowded street. Hong Kong. Blur effect, vintage style toning

パニック発作の症状は強く、コントロールが難しい場合が多くあります。パニック発作を起こしている間、多くの人がとても強い恐怖を感じます。「狂ってしまうのでは?」「死んでしまうのでは?」と感じることもあります。そしてパニック発作を持つ多くの人は、発作自体に対する恐怖を持つようになり、発作にならないよう、回避行動(発作を避ける、起こさないようにする行動)をとるようになります。

広場恐怖症とは?

パニック障害のある人の約3分の1が別の不安障害を発症します。パニック障害と広場恐怖症を併せてもつ人は、20%を超え、治療につながった人においては80%前後にもなります。パニック障害を持つ人の中で広場恐怖症には、公の場、人の大勢いる場面や状況でパニック発作が起こるのではないかと怖れたり、実際に公共の場で、動悸や息切れ、めまいや立ちくらみ、吐き気や頭痛などのパニック発作に似た症状が起こり、深刻な恐怖が伴います。

広場恐怖症の人は、逃げにくい場所・状況や、発作を起こしたら恥ずかしい、と思うような状況が苦手で、その状況でパニック発作を起こすことを強く恐れています。また、広場恐怖症の人は、誰からも助けてもらえないと感じる場所でパニック発作を起こすことに不安を持つ傾向があります。広場恐怖症に関連する恐怖は、慢性的なな回避行動(発作が起きそうな場所を避けたり、不安を感じないよう様にする行動)につながります。

回避行動が起きるのは

広場恐怖症の人に多く回避される状況は、人混み、乗り物、大きな広場、エレベーター、会合、旅行、そして映画館や美容院などがあります。回避行動は、多くの場合、関連するグループに広がって発生します。たとえば自動車でパニック発作を起こすことを恐れる広場恐怖症の人は、バス、電車、飛行機など、他の交通手段にも恐れを抱いて回避を始める場合があります。

回避行動は時間とともに広がりエスカレートする傾向があり、生活の質を損なう可能性があります。通勤が出来なくなったり、旅行や趣味も楽しめなくなったり、友達と会うことも難しくなるかもしれません。回避行動を続けることで、自分の部屋以外が恐怖の対象になってしまい行き場を失うという状態まで悪化することもあります。

回避行動の例

回避行動の理解を深めるために、パニック障害を例に考えてみます。予期しない突然のパニック発作を映画館にいるときに経験したとします。心臓がバクバクとし、窒息してしまうように感じます。自分は死んでしまうのではないか、と強い恐怖を感じ、遠くから自分を見ているように感じ始めます。映画館に閉じ込められたように感じ、逃げられない、逃げ出したら恥ずかしい、と恐怖と焦りで圧倒されました。

「気分が悪い」と友達に告げて、映画館を出ました。外に出て症状がおさまった後、映画の途中でいきなり出てしまったことを恥ずかしく感じます。次に友達から映画に誘われたときに、またパニックが起こるのではないかと思って「忙しいから」と断りました。もう映画館には怖くて行けません。映画館と似たような、ライブでも同じような発作が起こりそうになり、以来行けなくなりました。パニック発作を恐れて、ショッピングモールや駅など他の混雑したエリアも避け始めました。こうして回避行動はどんどんと人生を制限し始め、行き場がなくなり、人と会う機会も減り孤独を感じながらも、恐怖で動くことが出来ません。

回避行動の克服

回避行動が悪化すると、恐怖を感じる状況に直面することは非常に困難になります。回避行動は安らぎを感じ、一時的に不安から解放してくれるので、強化されます。しかし、長期的には恐怖と不安を強めてしまい、問題を維持します。

広場恐怖症と回避行動は、治療せずに放置すると悪化する可能性があります。しかし、広場恐怖症は治療によって改善できます。典型的な治療には、薬物療法や心理療法、または両方の組み合わせが適用されます。

恐怖に直面して慣らす

心理療法では、恐怖を感じ回避されてきた状況に、安全な状態で直面し、慣れていく方法が取られます。回避行動が恐怖や不安を悪化させ、生活の質を落とし様々な問題を産み出していることを理解して、回避をやめて恐怖をアクセプタンス(受け入れる)するようなトレーニングをすることもあります。緊張したり恐怖を感じる場面で、リラックスできるようにリラクゼーション法を用いることもあります。

回避行動は生活の質を下げる

広場恐怖症の人は、様々な公の場に対して恐怖や不安を感じ、そこに行く事が出来なくなります。スーパーの列に並ぶ事や、映画館、美容院、そして電車や飛行機で旅行することにも恐怖を感じ、制限の対象にするかもしれません。最終的には自分の部屋を出ることすら、できなくなる事もあります。そのためにうつになったり、強いストレスから他の疾患を併発する可能性が高まります。

様々な場面への恐怖を持ち続けることは、ネガティブな精神的、身体的な反応を引き起します。強い自責感や絶望感、動悸や息切れなど、激しい症状として現れます。しかし、パニック障害、パニック発作、広場恐怖症は治療が可能な疾患で、早めのケアをすることが大切になります。

広場恐怖症は通常、最初のパニック発作から1年以内に、早期に支援・治療を求めることが重要です。しかし、長期的な症状がある人でも、治療により大きな改善が得られます。

広場恐怖症への治療

薬物療法

パニック障害への処方薬は、パニック発作の重症度を軽減し、不安感を軽減させる効果が期待できます。

心理療法

心に働きかける心理療法では恐怖や発作に対処することができる、新しい考え方とスキルを身につけます。

リラクゼーション法

呼吸法のエクササイズ、漸進的筋リラクゼーション、ヨガ、イメージワークなどのリラクゼーション技術は、身体の緊張状態を解し、リラックスして、不安を和らげる事を目的とします。

セルフケア

適度な運動や健康的な食事、しっかり睡眠時間をとるなど、自分自身の世話をすることは、脳や身体の状態を良くし、精神を安定させます。

(宮沢みか:公認心理師)

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