身体の警戒モードを解いてリラックスする
人がストレスを感じたり警戒モードにある時、体は緊張して縮こまる方向へ力が入ります。「怖い」と言いながらゆったり手足を開いてくつろいでいる、という事はあまりないですね。
警戒している時、人は防御態勢に入ります。身体に力を入れて、身構えて攻撃に備えたり、すぐに逃げ出せるようにしています。筋肉は収縮して身を守っています。
こういった緊張状態が慢性的に続いていると、無意識に力が入りっぱなしになります。なのでストレスな状態が続くと、身体が強張って肩こりがひどくなったり、頭が痛くなったりするのです。
そして無意識に力を入れ続けてエネルギーを使っているので、知らぬ間に消耗して身体が疲れていたり、しんどく感じたります。
自分の身体の状態に気づく
今、自分のからだのどこかに力が入っていたり、緊張している場所はあるでしょうか?身体のどこかに、力が入っている箇所があるか全体をスキャンするように調べてみましょう。
特に頭から肩、背中の部分には力が入りがちですので、注意を向けてみてください。強張っていたり、いつも硬く緊張してるような場所はあるでしょうか?緊張している場所があってはダメという事ではありませんし、強張っているのは悪いという事ではありません。ただ、自分の体の状態に、気づいていきます。
そこから力を抜いてみようと思っても、上手くいきません。一瞬抜けても、無意識の習慣でまた力が入っていきます。マッサージにいって解してもらっても、また数日すると、肩が凝ってきたり、頭が痛くなってくるのと同じです。
これは無意識に、意図しないで、いつも習慣的に緊張して力を入れてしまっているからです。
力を抜くエクササイズ
自分の体でいま凝っている、緊張がある、力が入っていると感じる所を見つけてみます。
多くの人は肩や首、目、頭といった部分に緊張をかんじます。
力が入っている部分を見つけたら、そこにさらに力を込めてみます。
肩が凝っているように感じられたら、その縮こまる感じをさらに強くして、わざと力を入れます。頭や首、目だったら、そのギューッという感覚、緊張感をさらに強くして、意図的に力を入れて縮こまるようにしていきます。
緊張を感じる部分にさらに力を入れる。
10秒力を入れ続ける。
その後一気に力を抜く。
ゆっくり息を吐きながら、力を抜いていく感覚を感じる。
緊張が抜けてリラックスしていくのを感じる。
他の場所にも緊張を感じたら同じようにやってみます。
筋肉は一度強く緊張させた後が一番力が抜けやすくなりますので、この方法をつかって力を抜いていくことができます。
日常でも気づいたときに、力を抜くという感覚を繰り返していくと、新しい習慣として「力を抜く」という行為が身についてきます。「力が入る」という習慣を、新しい習慣に書き換えるためには、何度も繰り返す必要があります。
緊張もメッセージである
身体の感覚も感情も、何かのメッセージを発しています。何かを知らせるために、表現するために生まれてきます。ですから、その感覚をないことにしたり、おさえようとしたり、別のいいものに変えようとしたりすると、表現しきれないまま、残っていしまいます。すると、出てくるチャンスがあったときに、暴走して出てきたり、歪んだ形で出てくることもあります。
感覚も、感情も、それを抑えたり変えたりしようとせず、まずはきちんと表現させてあげたり、聴いてあげるという姿勢をとってみましょう。十分に表現した後は、感情や感覚は自然に収まっていく傾向があります。
(宮沢みか:公認心理師)
